水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

監督、俳優…新しい日本の才能に注目(2018年6月〜2022年12月まで担当)

野村 正昭

映画評論家

ハウス・オブ・グッチ

SF、史劇、アクション、メロドラマ……と、映画のあらゆるジャンルを横断して精力的に撮り続けているリドリー・スコット監督の作品に惹かれるのは、そのケレン味だ。傘寿を過ぎても、その演出力は、いささかも衰えず、昨年公開された『最後の決闘裁判』に続いて、パワー全開の快作を観ることができて嬉しい。世界的なファッションブランドであるGUCCIの創業者の孫にあたる3代目マウリツィオが、95年3月27日、ミラノで殺害される。実際に起きた事件を基に“華麗なる一族”のスキャンダラスな内幕を容赦なく暴き、エンタテインメントとして見事に成立させているのは、さすが。マウリツィオの妻、パトリツィア役のレディー・ガガの権力への妄執ぶりにも圧倒されるが、アル・パチーノや、ジャレッド・レトの俗物根性丸出しの演技には観ていて快感を覚えるほど。面白い!

22/1/10(月)

アプリで読む