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三枝 成彰
現代作曲家
藤原歌劇団『イル・トロヴァトーレ』
22/1/29(土)~22/1/30(日)
東京文化会館 大ホール
藤原歌劇団が1月29日(土)・30日(日)の東京文化会館と、2月5日(土)の愛知県芸術劇場で上演するのは、オペラ『イル・トロヴァトーレ』です。イタリアの大作曲家ジュゼッペ・ヴェルディが40歳のときに初演したこの傑作はスペインの作家グティエレスの戯曲「吟遊詩人」が原作で、『イル・トロヴァトーレ』は“吟遊詩人”のことです。 舞台は15世紀のスペイン。ルーナ伯爵は夫人に使える女官レオノーラに恋をしていますが、彼女は吟遊詩人マンリーコと恋仲でした。やがて伯爵はマンリーコが、あるジプシー女を捕らえると、彼女はマンリーコの母であり、かつて幼いころ病弱だった弟を呪った罪で火あぶりにしたジプシー女の娘であることを知ります。 母を奪い返しに行ったマンリーコは捕らえられますが、レオノーラが伯爵に身を捧げると誓ったことで救われます。しかし、直後に彼女が毒を飲んで死ぬと、伯爵は騙されたと怒り、彼を再び処刑するよう命令するのです。 この物語が、現在ご活躍中の歌い手の皆さんによって演じられます。今回はダブルキャストで、レオノーラに小林厚子さん(29日)、西本真子さん(30日)、マンリーコに笛田博昭さん(29日)、村上敏明さん(30日)、アズチェーナ(ジプシーの老婆)に松原広美さん(29日)、桜井万祐子さん(30日)ほか。指揮は山下一史さん、演出は粟國淳さん、管弦楽は東京フィルハーモニー交響楽団。
22/1/22(土)