インディペンデント映画界のドリームマッチとはこのこと。生きるのが下手な人間を描かせたら右に出るものがいない今泉⼒哉監督が脚本を書き、近年非常に注目されている城定秀夫監督がメガホンを取る。映画ファンならこれは見逃せない。 30歳を過ぎた古本屋のうだつの上がらない男（瀬戸康史）が女子高校生（河合優実）に求婚され、同時にかつて愛した女性からも信じがたい連絡が入り、ふたりの女性の間で揺れ動くどうしようもない男の心情を描く。 河合は一途な女子高生を大変魅力的に演じて観客の心を掴んでいく。一方の瀬戸もダメ男振りで新境地を見せている。人間はかくも愚かで、そしてこれほどまでに純粋なものなのかと、オジサンにはうらやましくも思えた一本。

22/1/31(月)