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日本映画の新たな才能にフォーカス

イソガイマサト

フリーライター

戦慄せしめよ

鑑賞後にはただただ「スゴい!」という言葉しか出てこなかったし、身体の中ではしばらく太鼓の音が鳴り響いていた。 昨年、創立40周年を迎えた佐渡島の太鼓芸能集団「鼓童」と現代音楽家・日野浩志郎による圧巻の演奏を、『破壊の日』『全員切腹』などの鬼才・豊田利晃が佐渡島オールロケで映像化した本作。セリフやナレーションが一切なく、大小の太鼓やティンパニなどを駆使した「鼓童」の音が佐渡島の大自然や光を繊細に設計した静謐な室内空間からとてつもないパワーで迫ってくる! だが、これはライヴとは違う。「鼓童」のメンバーたちの迫真の演奏=パフォーマンスと生き物のようにうねりをあげる“音”たち、近年の豊田作品や『劇場』『リバーズ・エッジ』などの撮影で知られる槇憲治の静かなのに力強い映像が“饗宴”した、これぞ、まさに究極の映像体験! 豊田監督こだわりの音響システム“ブーストサウンド”を搭載した映画館の大スクリーンで観ると、知らないうちについていた余計なものが削ぎ落され、身も心も浄化されているに違いない。

22/1/28(金)

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