テニス未経験でありながら娘たちの才能を見事に見抜き、何があろうとも自分が立てた“ドリームプラン”を遂行しようとしたリチャード。テニスプレイヤーのビーナス＆セリーナ・ウィリアムズを一流選手に育てた父親が、ここまで型破りな人物だったとは！　 ある意味では独善的ともいえる彼の行動の数々に引き気味になってしまう場面もありつつ、どんな環境でも謙虚であることを徹底的に伝える子育てには、尊敬の念を抱きました。姉妹が成功したからいいようなものの……、という思いが何度か頭をもたげてしまいましたが、母親が夫にものを言い、自分も娘のコーチを務めていた人だから、家族のなかでのバランスがはかれていたのかもしれません。試合シーンは臨場感にあふれ、姉妹が差別を受けてきた子供たちの英雄になるシーンはあまりにも感動的。短すぎるショートパンツで信念の人、リチャードを演じきったウィル・スミスに圧倒される、家族の物語であり、差別と戦う人たちについての物語です。

22/2/9(水)