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クラシック業界ご意見番

東条 碩夫

音楽評論家

名古屋フィルハーモニー交響楽団 第499回定期演奏会

個性派指揮者・井上道義が、このところ各オーケストラとショスタコーヴィチの交響曲を演奏している。「あと2年半で引退する」と謎めいた宣言をした井上。彼のコンサートのプログラムにショスタコーヴィチの交響曲が目立って来たのはそのためか。 何しろ彼は「ショスタコーヴィチは僕自身だ」と語るほどこの作曲家の作品を愛しているのだ。そして、2007年に音楽界の耳目を奪ったショスタコーヴィチ交響曲全曲連続演奏会のライヴ録音を中心としたCD全集も、最近リリースされた。「井上とショスタコーヴィチ」は、ちょっとしたブームというべきか。そしてその組み合わせが、今回は名古屋でも、というわけだ。 「第8交響曲」は、「第7番《レニングラード》」に続き、第2次世界大戦中に作曲されたもの。だが曲想は、前作と全く性格を異にし、悲愴で凄絶であり、内容の充実度の点でも前作を遥かに凌ぐだろう。それどころかこの「8番」は、彼の交響曲の中でも一、二を争う優れた作品との評価も高い。井上道義が名古屋フィルとともに創る壮大な世界に期待したい。

22/3/3(木)

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