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映画から自分の心を探る学びを
伊藤 さとり
映画パーソナリティ(評論・心理カウンセラー)
ベルファスト
22/3/25(金)
TOHOシネマズ シャンテ
本年度アカデミー賞7部門ノミネートというのも納得の、モノクロの画で幼き少年の思い出を綴るケネス・ブラナーの半生を映画化した本作。 少年がどれほど家族から愛され、祖父母から愛を学び、両親の関係から大人の恋を見つめていたのか。様々な思いが走馬灯のようにスクリーンから伝わってくる感覚を味わえる。 しかもモノクロにしたことで名優キアラン・ハインズとジュディ・デンチの年輪を重ねたシワが浮き上がり、人間愛に満ちた画として歳を重ねた人々の美しさを私たちに再認識させてくれる。 そしてケネス・ブラナーらしく、主人公だけに焦点を当てずに様々な登場人物に見せ場を作る脚本になっているし、自分に影響を与えたテレビや音楽への愛も散りばめられていて同世代ではなくとも何故か心躍るのだ。何度でも観たくなる無邪気で一生懸命な愛が詰まった傑作。
22/3/7(月)