海沿いのリゾート地で日本人の母が経営するホテル・アイリスを手伝うマリは、嵐の夜に女性の悲鳴を聞いて駆けつけます。そこでは男から暴力を受けて取り乱す女性の姿が。マリはショックを受けつつも、その男の振るまいに惹かれていることに気づき困惑。 一方、男はロシア文学の翻訳家で、ホテルから小舟で渡った島にひとりで暮らしており、住人たちから彼が過去に殺人事件を起こした犯人ではないかと疑われています。マリは彼への思いを止めることができず、男もまた彼女に接近していくのですが……。本当に不思議な感覚を呼び起こされるラブストーリーです。 エロスがテーマになっているんですが、描写はお見事。静かな性生活を送る方々なら、ここに漂うエロスを理解してもらえると思いますよ。あるシーンで、「ベロ出して」っていうセリフがあるんですが、私も思わずベロ出しちゃいましたもん(笑)。 そして、いやー、永瀬正敏さんがとにかくエロい。エロいなんて言葉では足りないかな。彼が演じた翻訳家は、世間から見たら怪しい存在であり、色気を携えた妖しげな男。そういったひと癖ある役を演じさせたら、永瀬さんに勝る人はいないな、と思いました。

22/3/7(月)