女殺し屋サムは一仕事を終え、自宅でシリアルを食べながら、撃たれた腕の傷を縫い合わせていた。そこへ新たな依頼を受けるが……。毒々しいネオンタイトルからのハードボイルドなオープニングでポップバイオレンスの世界に引き込まれる。舞台、時代は不明だが、入店時に銃を預かる謎のルール、携帯はガラケー、パンダのスーツケースなどの可愛い小道具などが登場し、独特の世界観を作り上げている。特に武装図書館が楽しく、働く女性職員は凄腕の殺し屋で、本には武器が仕込まれ本のタイトルにリンクしていたりする。また、エンニオ・モリコーネもどきの音楽やセルジオ・レオーネ風のクローズアップなどの映画オマージュもちりばめられ、タランティーノ気分。変に社会問題を反映せず、終始かっこいい女達が、悪い男達相手に暴れ回るガンアクションエンタメに徹したのは、潔く嬉しくなった。女版『ジョン・ウィック』かな。

22/3/5(土)