4年前の新制作上演時に大評判となったケントリッジ演出の再演。何度見ても飽きない美と知の世界がかえってくる!変化にとんだモノクロが基調の素描をコマ撮りして製作された映像。それをバックに展開してゆく各場面は、『魔笛』の持つテーマや哲学的対比を視覚的に読み解く面白さが溢れている。
歌手の中では王子タミーノの鈴木准、パミーナ砂川涼子、夜の女王安井陽子ら最高の歌手陣が揃う中、今シーズン『さまよえるオランダ人』で絶賛された河野鉄平のザラストロに注目したい。その魅せる深い美声に期待大。
この公演、今回もモーツァルト最高のファンタジーを、初心者のみならずコアなオペラファンに納得させてくれる至福の空間になるはずだ。