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監督、俳優…新しい日本の才能に注目

野村 正昭

映画評論家

ツユクサ

海の見える小さな田舎町に、ひとりで暮らすヒロイン芙美(小林聡美)は、断酒会の帰り道、運転していた車に宇宙から降ってきた隕石がぶつかるーと書くと、SF映画のような展開になると思いきや、そうはならないところが面白い。芙美は、気の合う友人たちと過ごしたり、少年と遊んだりして、平凡で穏やかな日常が続くのだ。過去を抱えながら、シンプルに生きる芙美の前に、草笛を吹く謎めいた男・吾郎(松重豊)が現われ、そこからラブストーリーが始まるのかと思えば、そうはならないところが、またユニーク。平山秀幸監督は、いい意味で、予想を裏切る展開で、日常の中の小さな奇跡を提示し、心地良い空気に観客を誘い込む。小林聡美や松重豊ら、ベテランの俳優さんたちの肩の力が抜けた演技は勿論、小学生、航平役の斎藤沙鷹の存在が、未来の希望を体現している。

22/4/16(土)

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