評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
鋭い視点でアートの見方を指南
村田 真
美術ジャーナリスト
生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展
22/3/19(土)~22/6/19(日)
東京都現代美術館
怪獣映画『モスラ』やテレビの『ウルトラQ』をリアルタイムで見たぼくにとって、当時いちばんワクワクしたのは怪獣でもバトルシーンでもなく、東京タワーや大阪城が破壊される場面だった。 そのミニチュアセットをつくっていたのが、井上泰幸という特撮美術監督だと知ったのはつい最近、この展覧会が開かれてから。 円谷英二という大きな看板の影に隠れて見えなかったのだ。 同展は、井上が日芸時代に描いた絵画に始まり、円谷監督の下で彼が手がけた怪獣映画や戦争映画の絵コンテ、記録写真、マケットなど約500点を展示。圧巻は『空の大怪獣ラドン』で壊される西鉄福岡駅周辺を再現したミニチュアセット。美大で絵を描いていたヤツでもなにかの役に立つことがある一例でもあるのだ。
22/5/18(水)