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クラシック業界ご意見番
東条 碩夫
音楽評論家
新国立劇場オペラ『オルフェオとエウリディーチェ』
22/5/19(木)~22/5/22(日)
新国立劇場 オペラパレス
「新国立劇場がグルックの『オルフェオとエウリディーチェ』を初上演」 これまでなぜかバロック系オペラに全く手をつけていなかった新国立劇場が、大野和士・芸術監督の下で、ついにレパートリー拡大を実現。昨年予定されたヘンデルの『ジュリアス・シーザー』がコロナ禍のため中止になっていたので、今回がその第1弾になる。 物語はギリシャ神話に基づく有名なもので、地獄に連れ去られた妻エウリディーチェと、それを救出する音楽詩人オルフェオの愛のオペラである。「精霊の踊り」や「われエウリディーチェを失えり」の歌などは、誰でもどこかで耳にしたことがあるだろう。 今回の上演の「目玉」は、舞踊家・勅使河原三郎の演出と、最近日の出の勢いにある若手・鈴木優人の指揮だ。ダンスを活用した舞台と、清冽な感覚にあふれた指揮なら、このオペラはいっそう面白くなるはず。なお歌手陣には、オルフェオにカウンターテナーのローレンス・ザッゾと、エウリチーチェにソプラノのヴァルダ・ウィルソンが予定されている。たった3回しか公演がないが、なんとか都合をつけて観ておきたいもの。
22/5/10(火)