生まれてこのかた英国とは縁が無いのだが、可能ならぜひ行ってみたいのが重厚な歴史的町並みが残るスコットランドのエディンバラ。その中心地に位置するスコットランド国立美術館から、「THE GREATS（巨匠たち）」の作品を紹介する展覧会だ。 ルネサンスからポスト印象派まで、巨匠たちの作品がひしめくなか、ぜひ観ておきたいのは、ベラスケスの《卵を料理する老婆》。後にフェリペ4世の宮廷画家となり、幼いマルガリータ王女の肖像を数多く描いたことで知られる天才画家の、18～19歳の頃の作品で、「ボデゴン」（厨房画）の傑作として知られている。かなり地味だが、人物のリアルな表現はもちろん、様々な台所用具の質感、おいしそうな卵の描き方など、この機会にぜひじっくりと味わいたい作品だ。 そのほか、日本では知られていないものも含めて、本場英国の画家の作品を多数見ることができたのは眼福。なかでもマチエル・フェチの私的には、はるか彼方にサフォークの田園風景が広がるコンスタブル作《デダムの谷》の、ガサガサとひっかくようなタッチはたまりませんでした。

22/5/14(土)