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映画のうんちく、バックボーンにも着目

植草 信和

フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

炎のデス・ポリス

公開当時には知名度の低い監督の低予算作品でも、一見して凄い才能が現れたと感嘆させられる映画というものがある。例えば、ウォシャウスキー姉妹(兄弟?)監督の『バウンド』、タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』、カーペンター監督の『ジョン・カーペンターの要塞警察』などがその好例作品だ。 『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』『スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい』のジョー・カーナハン監督の知名度が低いとは言えないが、アクション映画を得意としてきた同監督のセンスが光る新作『炎のデス・ポリス』は、そんな過去の映画体験を思い出させる佳作。 砂漠地帯の小さな警察署というワン・シチュエーション設定が、まず巧妙(『要塞警察』とよく似ている)。マフィアのボスに命を狙われている詐欺男、組織に雇われた殺し屋、サイコパス殺人魔、正義感溢れる婦人警官などのキャラがたっている。そんな彼ら彼女らの虚々実々の駆け引き、スリリングな銃撃戦、どんでん返しなど、B級映画の楽しさに充ち溢れていて最後まで飽きさせない。 小粒ながら“演出の冴え”と“舞台設定・人物設定の面白さ”で見せ切る本作のような作品に出会うと、つくづく「映画って面白い」とつぶやきたくなる。

22/6/12(日)

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