Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

政治からアイドルまで…切り口が独創的

中川 右介

作家、編集者

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

子どもと、恐竜の子どもを悪の組織から救出するための大活劇で、『ミッション・インポッシブル』や「007」シリーズを観ている気分になった。もちろん、いろいろな恐竜が登場するので、恐竜ファンも大満足だろう。 1993年に『ジュラシック・パーク』を観た時の2つの驚き。 ひとつは、この映画に出てくる遺伝子工学技術を使えば、本当に恐竜を蘇らせることができるかもしれないことへの期待と恐怖。 もうひとつは、現実より先に、映画のなかで恐竜が人間と共演している、その映像技術への驚嘆。 あれから29年がたち、現実世界に恐竜はまだ現れていないことに、ちょっとした落胆と、大きな安堵を抱いている。 映像技術は、細部では進歩しているのだが、29年前ほどの驚きは、もうない。こちらの感覚が麻痺してしまうほど、現実には存在しないものが映像のなかにあふれているからだ。 本物の恐竜としか思えないものが、スクリーンで暴れまわっても、もはや、それだけでは驚かなくなっている。そんな観客を飽きさせないためには、さらなる工夫が必要。といって、人間ドラマを深く掘り下げては娯楽映画にならない。かくして大活劇となったのだろう。大正解だ。 巨大製薬会社が抱える闇とか、武器商人の暗躍とか、いろいろな問題も放り込まれているが、観ている間は考える暇もない。観終わって、いろいろ考えさせられる。

22/7/4(月)

アプリで読む