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ホラー、動物モノ、トンデモ映画を発掘

春錵 かつら

映画ライタ―

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

恐竜好きのみなさん、朗報です! コレよコレ!!私はコレを待っていた! シリーズ前2作は遺伝子組み換え操作によって生み出されたハイブリッド恐竜が主要キャラだったことで、「それは恐竜ではなくむしろ怪獣……」と正直、恐竜好きの私の心はすっかり萎えていた。ところがだ。 『ジュラシック・パーク』シリーズの三銃士、グラント博士、エリー博士、マルコム博士が登場することも話題の『ジュラシック・ワールド』3作目にして完結編となる本作が、見事原点回帰。かつて実在したであろう恐竜たちの競演&饗宴。イヤッホー! 2020年に全く違う外見が発表されたディロフォサウルスが、敢えて1993年の『ジュラシック・パーク』版のクローンエラーを起こしたという姿のまま登場するのもいい。他にもアンキロサウルス、パラサウロロフス、モササウルス、ケツァルコアトルスといった有名どころetc.etc……コレよ。私はコレを待っていた(2回目)。 「生命は道を見つける」とはマルコム博士のかつての名言。恐竜たちはその言葉の通り、全世界に分布を広げ、人類は共存に四苦八苦している世界。一度壊れてしまった生態系は簡単には戻らないことを、本作は胸を張って高らかに謳っているようにも見える。人間の愚かさだけではなく、制御不可能な生命の神秘と種族を繁栄させようと生き抜く逞しさを称えているかのようだ。 あの世界線では、自分のすぐ真横を、かつていた未知の巨大生物が通り過ぎる。庭先で公園で、小さいけど凶暴な何かに突っつかれる。人類の奢りを忘れないためには、ひょっとしたらこんな自然への畏怖が常に身近にあることが必要なのかもしれない。

22/7/23(土)

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