洋画の邦題というのは本当に難しいものだと思う。『炎のデス・ポリス』という勇ましい邦題が大きく印刷された試写状の宣伝文句は「激突!留置場バトル・ロイヤル。朝を迎えられるのは誰だ!? 小さな警察署が一夜にして戦場と化すバイオレンス・アクション!」というもの。ジェラルド・バトラーの名前がなかったらパスしてしまったかも知れないが、殺し屋と詐欺師、サイコパスの殺人鬼に正義感の強い新米女性警官が砂漠地帯にたたずむ小さな警察署を舞台に繰り広げるバトルはストーリー展開からキャラクター設定、撮影……何もかもが70年代のおもしろかったB級映画の匂いを漂わせていて、ぐいぐいと引き込まれ、いい方に裏切られた。エンディングにジェラルド・バトラー演じる殺し屋とアレクシス・ラウダー演じる警官にマルチ画面でカーティス・メイフィールドの『フレディズ・デッド』を歌わせるセンスが最高。原題の『COP SHOP』は完全にペイパーバックのタイトルだ。