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クラシック業界ご意見番
東条 碩夫
音楽評論家
愛知祝祭管弦楽団『トリスタンとイゾルデ』
22/8/28(日)
愛知県芸術劇場 コンサートホール
『愛知祝祭管弦楽団が総力を挙げる「トリスタンとイゾルデ」全曲上演』 愛知祝祭管弦楽団はアマチュア・オーケストラだが、並みのアマオケとはケタが違う。そもそも最近のアマオケはプロ顔負けの腕前を示すことが多く、このオーケストラも驚異的な実力を誇っている。音楽監督・三澤洋史(新国立劇場合唱団指揮者)の指揮で、ワーグナーの4部作『ニーベルングの指環』全曲を高水準のセミ・ステージ形式により連続上演するという、プロオケ界にも稀な金字塔を打ち建てていることが何よりの証拠であろう。 その三澤率いる愛知祝祭管が、今年はワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』を上演する。究極の「愛の歌」ともいうべき、官能と陶酔の音楽だ。休憩を含み5時間の長丁場だが、この音楽に一度はまったら抜けられないという、後期ロマン派の巨匠ワーグナーならではの魔力にあふれた世界だ。トリスタンに小原啓楼、イゾルデに飯田みち代、その他を配しての上演。 ワーグナー・ファンだったら聴き逃せない素晴らしい音楽である。
22/8/20(土)