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浦島茂世

美術ライター

生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎

同じ年に福岡県久留米市に生まれ、同じ小学校、同じ洋画塾に学んだ今年生誕140年を迎える青木繁と坂本繁二郎。 青木繁はその才能を早くから認められるものの、28歳という短い生涯を終え、その青木に刺激を受け上京、数年遅れて画家を目指した坂本繁二郎は、87歳で亡くなるまでの間こつこつと絵を制作し続けていた。 この展覧会は、そんな性格も作風も人生も対称的なふたりの道のりをゆっくりとたどるもの。展覧会を一覧して思うのは「青木繁もすごいけど、坂本繁二郎もかなりパワフル!」ということ。 若くして亡くなった友人を顕彰するために、さまざまな人に青木の作品の魅力を説いて周り(このおかげでアーティゾン美術館に青木繁作品がたくさんある)、青木の碑を作るために奔走、その傍らで自分の芸術を追求するためフランスに留学し、制作の拠点を福岡県八女市に移すなど、穏やかで淡い色が印象的な作風とはうらはらに、とにかくエネルギッシュ。 青木の碑が完成したあとのスピーチ原稿は読んでいて涙がでてきそうになってしまうほど熱い。見終わったあとに心がじわじわ暖かくなる展覧会。

22/8/9(火)

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