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アニメも含め時代を象徴する映画を紹介

堀 晃和

ライター(元産経新聞)、編集者

ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV

主演のスタローンには申し訳ないが、これはアポロを演じたカール・ウェザースの映画だ。それほど存在感が大きい。アポロがいるからこそ、ロッキーはチャンピオンに上り詰め、このシリーズ第4作でソ連最強のアマチュアボクサー、ドラゴ(ドルフ・ラングレン)と対戦する。ロッキーシリーズとは、アポロの遺志を継ぐことにほかならない。 見せ場はロッキーとドラゴの死闘のはずだ。しかし、中盤のアポロとドラゴのシーンのほうが鮮烈に迫ってくるのはなぜか。ゴングが鳴る前、“ソウルの帝王”ジェームス・ブラウン本人が出演して歌う「リヴィング・イン・アメリカ」にのって、試合を盛り上げる陽気なアポロ。それが、最後には見るも無残にマットに沈められてしまう。その明暗の差が激しいからだ。 本作は1985年公開『ロッキー4/炎の友情』のディレクターズ・カット版。監督・脚本を担当したスタローン自ら42分の未公開映像を加えて再構築し、91分だった上映時間は94分に。追加場面は、ソ連での試合を議論するボクシングコミッションの会議など。物語の起伏は一層増した。米国では2021年11月11日の一夜限りの限定上映だった。それだけに日本でのロードショー公開は貴重な機会となる。

22/8/22(月)

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