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映画のうんちく、バックボーンにも着目

植草 信和

フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

LAMB/ラム

「スリリングで予測不可能、そして見事な演技」という『ボーダー 二つの世界』に寄せられた多くの賛辞を、そのまま進呈したくなるアイスランド発の『LAMB/ラム』。主演・製作総指揮は『プロメテウス』、『ミレニアム』シリーズのノオミ・ラパス。監督は、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の特殊効果を担当、本作が長編デビューとなるヴァルディミール・ヨハンソン(タル・べーラ監督が指揮するフィルムファクトリー出身)。そして『ヘレディタリ―/継承』『ミッドサマー』のA24が配給(製作ではない)といえば、本作がどんな作品かがおおよそ分かっていただけるのではないか。 現代のアイスランド。羊飼いの夫婦は羊の出産に立ち会い、羊ではない“何か”の誕生を目撃する。2人はその存在にアダと名付け育て始めるが──。アイスランドの広大な山岳は雄大だが、なぜか閉塞的に感じられる空間。その中で子羊が成長していくにしたがって明らかにされていく悲劇的な子供にまつわる夫婦の過去、人知を超えた子羊の正体。キリスト教的要素で構成された寓話と理解しつつも、「スリリングで予測不可能」の物語展開とラストには度肝を抜かれる傑作だ。 第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門「Prize of Originality」を受賞、アカデミー賞国際長編部門アイスランド代表作品にも選出されている。

22/8/21(日)

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