横山幸雄さんが毎年この時期にオペラシティで行っている、ベートーヴェンを軸としたリサイタルシリーズ。公演のキャッチコピーに「壮麗なる変奏曲の宇宙～過去に類を見ない衝撃のプログラム」とあったので、一体何をお弾きになるのだろうと思ってプログラムを見たら、確かにすごかった。 この公演は例によって、朝11時から夕方16時半近くまで、全4部制という横山さんならではのロングなものなのですが、まず、午前中の第一部からバッハの「ゴルドベルク変奏曲」をお弾きになる。横山さん、30代の頃にゴルドベルクの録音をリリースされていますが、あれから15年、きっと円熟味を増した演奏になっているでしょう。そしてハイドン、モーツァルトの変奏曲、ベートーヴェンの「エロイカ変奏曲」、ソナタ「熱情」や最後の32番のソナタをはさみ、フィナーレでは「ディアベリ変奏曲」を演奏するという。 32のソナタを書いたあと、ベートーヴェンが今度は長大な変奏曲に向かった、ということから着想を得たプログラムだそうです。変奏曲の傑作をこんなに一度に聴くことができる機会、なかなかありません。

22/9/10(土)