評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
ドキュメンタリー評論のエキスパート
村山 匡一郎
映画評論家
バビ・ヤール
22/9/24(土)
シアター・イメージフォーラム
『国葬』『ドンバス』などで知られるセルゲイ・ロズニツァ監督の新作だ。第2次大戦下のウクライナ。1941年9月にキエフ郊外のバビ・ヤールでユダヤ人3万3千人以上がナチス・ドイツによって虐殺された。その「バビ・ヤール事件」を中心にアーカイヴ映像で構成されたドキュメンタリーだ。1941年6月のナチス・ドイツの侵攻、9月のキエフ占領、1943年11月のソ連軍のキエフ奪還、終戦後のナチス・ドイツ戦犯者の裁判と公開処刑、1952年のバビ・ヤールに新しい建物が建設されるまで、現存する当時の記録映像で年月を追って構成。民族主義団体によるナチス・ドイツの歓迎の様子、ヒトラーの肖像がスターリンのそれに置き換わる光景など、まさに貴重な記録映像を通した歴史の目撃は刺激的で興味深い。
22/9/16(金)