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日本映画の新たな才能にフォーカス

イソガイマサト

フリーライター

犬も食わねどチャーリーは笑う

2007年の『無防備』で第30回ぴあフィルムフェスティバルのグランプリに輝いた市井昌秀監督と、審査員として同作を推した香取慎吾。そんなふたりが15年の時を超え、監督と主演俳優としてタッグを組んだのだから、こんなに喜ばしいことはない。 しかも、市井監督は自らのオリジナル脚本を映画化した本作で、香取をどこにでもいそうな自分中心のダメ夫・裕次郎の役で起用。裕次郎は妻の日和が自分に対する日頃の鬱憤や不満をSNSの「旦那デスノート」に吐き出していたことを偶然知ってしまうのだが、そこから始まる夫婦喧嘩から目が離せなくなった。 香取と日和を演じた岸井ゆきの生々しい口喧嘩が面白くて、痛くて、恐ろしい。それが市井監督流のオフビートな笑いの中でどんな結末を迎えるのか!? 思えば、若い極貧夫婦の愛の復活を描いた『隼』(05)でも家族の再生を描いた前作の『台風家族』(19)でも、アッと驚くクライマックスで観る者を一気に感動させた市井監督。今回のラストも鮮やかで、夫婦の関係を改めて見つめ直すきっかけに。

22/9/23(金)

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