主人公が同じ時間帯を何度もくり返してしまい、そこから抜け出せないというタイムループ作品は過去にもたくさん作られている。2014年のトム・クルーズ主演『オール・ユー・ニード・イズ・キル』が未来の戦場を舞台にしていたように、この手の作品は非情な設定が多い傾向があるのだが、本作はそれを「広告制作会社のブラック労働で社畜全員が疲弊し続ける」という現代日本らしい設定とミックスしたところが実に秀逸でおもしろすぎる。徹夜続きで週末が来るのを待ち焦がれてるのに、ハッと気づいたら月曜日の朝のオフィス……これを地獄と言わずして何を地獄と言うのだろうか。展開もよく練られていて、ストレートに面白い作品。