ヘンデルのオペラの中でも、とりわけ人気がある本作品。今回の演出はR・ペリーによるもので、すでにパリのガルニエ宮オペラ座やトリノ王立歌劇場で大評判となった舞台。エジプトの博物館を舞台に、巨大な彫像や絵画が次々に現れるファンタジックな展開だ。
チェーザレ役のM・B・キーランドはリリックなメゾソプラノゆえに高音を駆使したカデンツァやアリアの装飾はお手のもの。クレオパトラ役の森谷真理、クーリオ役の藤木大地との重唱も魅せてくれるはず。粒ぞろいの歌手陣に期待は高まる。
指揮はR・アレッサンドリーニ。彼が東京フィルハーモニー交響楽団と共に創る水際立ったヘンデルは、現代のバロック・オペラ演奏の最前線のサウンドだ。