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ホラー、動物モノ、トンデモ映画を発掘

春錵 かつら

映画ライタ―

デュアル

「人生は己との戦いだ」って言葉を時々目耳にする。ただしこの映画において「戦うべき己」は心の中にではなく、物理的に存在しているけど。 オリジナルvs. クローンの攻防を描いたSFスリラーの本作。本作で描かれるクローン技術の発達した近未来では、自分が亡くなった後に自身のクローンに自分の人生を継がせることができるサービスが一般化している。万が一、オリジナルが死ななかったとき、クローンは生存権を賭け、オリジナルに決闘を申し込むことができる。余命幾ばくもないヒロインが、このクローンサービスを利用することが物語の発端となる。 人間の性格を決める要素は約50%が遺伝で、残りの約50%が環境などによる後天的なものだという。確実に本人と違う成長過程をたどるクローンは、早々に自我に目覚めて他人のような違和感を強くするわけである。いくら同じ遺伝子を持っていたとしても、自我の外側に存在するもう一人の自分は、もはや他人なのだ。 さて、本作を観ながら、ひとつしかない人生の指定席を巡り戦わなければならなくなったらオリジナルとクローン、どちらが強いかをずっと考えていた。確かに「生」をより多く知っているオリジナルの方が生きる執着は強そうだが、クローンの方が人生経験の浅い分、同情心や倫理観は低く、残酷になれそうだ。オリジナルは経験による思い込みや慢心があるかもしれないが、クローンは人間をよく知らないから心の駆け引きに疎そうetc.etc. あなたがクローンと戦うとしたら、あなたとクローン、どっちが勝つと思う?

22/10/6(木)

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