2020年結成の８人組。うち５人のユニットで昨年のM-1グランプリの準々決勝に進出。今年のABCお笑いグランプリでは８人揃って決勝に。ダウ90000は若くして着実にお笑い界に足跡を刻んでいる団体だ。 一方で毎年演劇公演も行い、昨年の本公演『旅館じゃないんだからさ』は、岸田國士戯曲賞最終候補作品にもなった。彼らは「芸人」とも「劇団」とも名乗っていない。作・演出の蓮見翔は「短ければコントで、長ければお芝居」と言っていたりもする。ここまでシームレスにお笑いと演劇を行き来する団体にはちょっとお目にかかったことがない。 今回もきっと、たくさん笑って、その後にちょっと「いいものを観たな」と思って、演劇とコントの違いに思いを馳せたりもするだろう。けれど、作品のくだらないフレーズを思い出してどうでもよくなったりするのだろう。 蓮見は若くして上の世代に刺さる固有名詞を出すのが抜群にうまいが、劇場には若い世代もたくさんいる。若い人たちを劇場に呼んでいる彼らの功績は、演劇界にとってとても大きなものだと思う。

22/10/7(金)