説明するのがとても難しい映画。でも、間違いなく不思議な魅力のある映画。どうしようかと考えていたら、プレスにこれだ！と思える評が載っていた。「まるで小津安二郎監督がアメリカのSF映画を作ったかのような味わい」（ザ・ハリウッド・レポーター）。”テクノ”と呼ばれる人型ロボットが一般家庭にまで普及した未来世界を舞台にした、妙に切なく美しい物語のデビュー作『コロンバス』が世界中の注目を集めた韓国の映像作家コゴナダが監督した『アフター・ヤン』はストーリー展開は勿論のこと、静謐な映画と心に響く音楽（ロサンゼルスを拠点にする作曲家Aska Matsumiyaと坂本龍一による極上のピアノスコア。エンディングには『リリイ・シュシュのすべて』で胸に刻まれた小林武史の名曲「グライド」の新バージョンが流れる）が観る者を魅了する。いつもと違ったコリン・ファレルの演技も一見に値する。

22/10/9(日)