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パリ発、ヨーロッパで話題の作品を
佐藤 久理子
パリ在住、文化ジャーナリスト
All the Streets Are Silent:ニューヨーク(1987-1997)ヒップホップとスケートボードの融合
22/10/21(金)
ヒューマントラストシネマ渋谷
先日パリでストリート・アートの展覧会が始まり、90年代にグラフィティとヒップホップ文化がアメリカから入ってきたのを再確認させられたタイミングで出会ったのが本作。まさにニューヨークにおけるムーブメントの発端からその歴史を俯瞰させる出色のドキュメンタリーだ。 当初はラップとスケートボードの客層は黒人と白人で分かれていたが、やがてあらゆる人種を飲み込んでニューヨークの一大ムーブメントとなる。そこから多くの才能が現れ、ラリー・クラークの映画『KIDS/キッズ』やアパレル・ブランドSpremeなどが生まれる刺激的な過程を、貴重な映像とともに見せてくれる。 今や名の知れたラッパーたちが多数出てくる他、『KIDS/キッズ』のハーモニー・コリンやロザリオ・ドーソンらの顔も。伝説のクラブの用心棒がヴィン・ディーゼルとベン・スティラーだった、などというびっくりなエピソードも含め、グルーヴと発見に満ちた89分!
22/10/19(水)