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ホラー、動物モノ、トンデモ映画を発掘
春錵 かつら
映画ライタ―
ドント・ウォーリー・ダーリン
22/11/11(金)
TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
またもやフローレンス・ピューがやってくれた…っ!! 本作は完璧な夫と完璧な町で完璧な日々を送る若き専業主婦が、不可思議な現象を通して“完璧”への疑念を抱き、真実へと迫る不条理SFスリラー。フローレンス・ピューはこの裕福で満たされている(はずの)専業主婦を演じ、今作でも『ミッドサマー』同様、ヒロインのグラグラ情緒が炸裂、“怖いのになんか面白い”彼女を見ることが出来る。 夫は外でがむしゃらに働いて、妻は美しい容姿と家を整え、絶えず笑顔で夫に尽くす──かつての“ザ・完璧”な男性社会がそこには広がっている。この古風な幸福の形が、今はこんなにも異形で不気味な景色として映るなんて。時代は確かにアップデートされ続けていることを再認識する。 外界で起きている出来事に目を閉じ耳をふさぎさえすれば、様々な疑問に目を瞑りさえすれば、楽に幸せに生きていくことが出来る。それは、どの世界にもどの時代にも数多に存在する“大衆的な人々”。思考や意志は、人を必ずしも幸福にするとは限らないけれど、真に人を生かす。 与えられた完璧な人生よりも自分で選び獲った人生こそ、価値があるの。
22/10/28(金)