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高松 啓二
イラストレーター
ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ
22/12/1(木)
TOHOシネマズ シャンテ
ユーモラスな猫の絵で知られるルイス・ウェインの生涯を描く。19世紀に妹達を養うためにイラストレーターになったウェインは、不器用な人物であった。しかし、妻のエミリーと出会い、猫をモチーフにして名声を得る。また、彼の絵を高く評価した「ロンドン画報」の編集長サー・ウイリアムとの仕事が、絵描き人生を決定づける。ただし当時、大人気だったのにもかかわらずウェインは、金銭的に裕福でなかった。そのせいで妹のキャロラインから版権契約をしなかったルイスを無能呼ばわりしてののしられる。ボクもイラストレーターなので、このシーンは心底腹が立った。雑誌や本の表紙、紙面内のイラストレーションには印税が支払われないのが普通だ。それにルイスは金に恵まれなかったが、亡くなっても彼の絵は生き続け愛されているのは、絵描きとして成功者ではないだろうか。晩年、精神疾患で入院していたが、やっぱり絵に救われる。魅力的な絵は金銭を超えた価値があるのだ!
22/11/22(火)