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日本映画の新たな才能にフォーカス

イソガイマサト

フリーライター

アラビアンナイト 三千年の願い

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)から8年ぶりとなるジョージ・ミラー監督の新作で、この題材と神話的なポスタービジュアル。それだけでまがまがしい奇天烈な珍作なのかもしれないと勝手に思い込み、恐る恐るスクリーンと対峙したのだけれど、本作はそんな筆者の、失礼にも程がある悪しき先入観を鮮やかに吹き飛ばしてくれるとても魅惑的な愛のファンタジーだった。 えっ、これが『マッドマックス 怒りのデス・ロード』と同じ監督が撮った映画なの? そう思ってしまうほどピュアなタッチで、ヒロインの物語論の専門家アリシア(ティルダ・スウィントン)と一緒に、いつの間にか3度も瓶の中に閉じ込められてしまった魔人〈ジン〉が語る壮大な物語の世界へ。 いやはや、こんなに物語に没入したのはいつ以来だろう? 個人的にファンタジー映画を観て心が躍ることは少ないのだけれど、本作は例外で、魔人〈ジン〉が辿った数奇な運命の物語に耳を傾け、信じることができたのだ。 そんな感想を持ったのが自分でも意外だったし、とても不思議。ラストシーンで温もりと優しさに包まれたのも思いがけない出来事だった。

23/2/25(土)

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