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水先案内人のおすすめ

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内外問わず話題作・娯楽作を本音で紹介

笠井 信輔

フリーアナウンサー

生きる LIVING

驚いた。黒澤明監督の名作を、こんなにも素晴らしい作品にリメイクするとは! 物語の筋はほぼ一緒だ。しかし、70年後のリメイクで大きく異なったのは主人公の姿だった。志村喬が演じたのは哀愁と孤独をまとった役場の職員であり、こんな人物こそ評価しなければいけないと教訓に満ちた存在だった。しかし、今作のビル・ナイは同じ役柄だが、がんを宣告されてからより生きようとする。「生きる力」が静かにみなぎってくる。死が間近なのにまるで蝋燭の炎のように輝きが増して見える。こんな人物になりたいと思わせる存在感。これもまたいい。アカデミー賞主演男優賞ノミネートは納得。がんサバイバーに社会貢献活動をしている人が少なくない意味も分かる。

23/3/27(月)

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