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映画のうんちく、バックボーンにも着目

植草 信和

フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

エッフェル塔~創造者の愛~

パリのシンボルのエッフェル塔に昇ったことはあるが、この塔が「いつ誰が何の目的で建設したのか」は知らなかった。本作『エッフェル塔〜創造者の愛〜』は、そのエッフェル塔を作った設計者ギュスターヴ・エッフェルの、塔を完成させるまでの苦闘を描いた歴史ヒューマン映画。 エッフェル(ロマン・デュリス)は「自由の女神像」の完成にも尽力したフランス人設計技師。彼が1889年、「パリ万国博覧会」のシンボルモニュメントとしてエッフェル塔建設をプレゼンするところから物語が始まる。高層建築はワシントン記念塔の169メートルしかなかった時代、その2倍近くの300メートルもの巨塔建設は苦難の連続。映画はその建設の過程で起こった、倒壊を恐れる住民や景観破壊を主張する芸術家たち(モーパッサン、アレクサンドル・デュマ・フィスら!)の反対運動、高所での作業の恐怖をスリリングに描いていく。 もちろんCG主体の映像だが、金属を積み上げて高さを増していくシーンは高所恐怖症者には正視できないほどコワい。エッフェルのその偉業の影には愛する女性の存在があったというロマンスもお話に華を添えて、都市建設物語として楽しめる。監督・脚本は今年公開予定の超大作『三銃士』の映画化二部作に抜擢されたマルタン・ブルブロン。

23/3/5(日)

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