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水先案内人のおすすめ

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演劇鑑賞年300本の目利き

大島 幸久

演劇ジャーナリスト

加藤健一事務所『グッドラック・ハリウッド』

加藤健一の新たな“カトケンワールド”は三人芝居、主題は世代交代。こんな形で終わりたくない。老化が何だ! 若者が何だ! 映画監督の往年の巨匠ボビー・ラッセルをカトケンは恐らく哀愁を漂わせて演じるだろう。 この主人公は一応、64歳の設定。加藤は73歳になった。日本では老化とか団塊の世代とかに括られるが、仕事も定年を迎え、第二の人生をどう迎えるかが迫られている年齢である。 ラッセルという人物の置かれた現実を考察しよう。監督であり脚本家であるが、映画会社は彼の脚本の出来や監督としての力量を求めていない。では、その理由は? 若い力が必要。これが答え。若い感性、“トレンドに乗った”若者―。 ラッセルのオフィスに脚本家として売り出し中の若いデニス・プラットが偶然入ってきてから物語は展開する。この出会いはふたりが共同作業を始めることになるが、どうも怪しげなのだ。若さVS老いとは? デニスを演じるのが関口アナン(34)。主にテレビドラマに出演してきた。もうひとり、ラッセルの助手メアリー・オーヘアが加藤忍。2007年の上演では長塚京三、筒井道隆、久世星佳の組み合わせだった。 歯がなけりゃいけないのか、毛がなけりゃダメとか(と、わめく私)。しかし、勝て、若者、勝て老人。誰にもいつかは訪れる老化と世代交代。『ドレッサー』で老優を好演しているカトケン。さて、オフィスに垂れ下がるのは先に輪の付いた1本のロープ。その意味は?

23/3/20(月)

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