新人監督のデビュー作には並々ならぬ思いが込められていると想像する。本作のメガホンを取ったのは、デビュー42周年を迎えたパンクバンド「アナーキー」のギタリスト、藤沼伸一。自身のバンドと音楽人生を反映させ、フィクションとして描いた。
アナーキーはセックス・ピストルズに刺激を受け結成されたパンクバンド。だが、バンドそのものを知らずとも問題ない。度重なるトラブルで解散したパンクバンド「銃徒(ガンズ)」を再結成しようと奮闘する物語。ここは感傷をもって描きそうなものだが、そこは人生経験が豊富な新人監督。自虐的な笑いとチャチャも入れながら描いていく。50代以上の音楽好きにオススメ。