4月25日から7月22日まで、横浜のKAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉で、劇団四季のミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』が期間限定で上演されます。
日本初演は1993年、劇団創立70周年の今年は、『クレイジー・フォー・ユー』にとっても上演30周年の節目に当たるわけです。常に再演希望が数多く寄せられる作品でもあり、この記念すべき年に8年ぶりの上演が実現しました。
この作品の魅力はまずなんと言っても、アイラ(作詞)とジョージ(作曲)のガーシュウィン兄弟による名曲の数々。ジャズが好きな人にはたまらないスタンダードナンバーの宝庫です。ジャズに詳しくなくても、耳に心地よいメロディと、和田誠さんと高橋知伽江さんの韻を踏んだ訳詞は、絶対楽しめると思います。さらにタップをはじめとするスーザン・ストローマン振付のダンスは、電話機やロープ、パエリア皿、椅子など、日常の道具を巧みに使っていて、毎回感心するばかりです。また、シンプルだからこそストレートに心に響く“ボーイ・ミーツ・ガール”のストーリー、そして、全編笑いにあふれた舞台は、コロナ禍で沈みがちだった気持ちを元気にしてくれると思います。