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鋭い視点でアートの見方を指南

村田 真

美術ジャーナリスト

戸谷成雄 彫刻

タイトルは作家名「戸谷成雄」と「彫刻」だけで、「回顧」もなければ「展」すらない。余計なものはいっさい省いて、作品のみで勝負している。これは半世紀に及び一貫して「彫刻とはなにか」を追求し続けてきた戸谷だからこそできること。 戸谷は美術も彫刻も解体された1970年代から、「彫る」「刻む」「構成する」という彫刻を成り立たせる行為にこだわり、80年代には一転して表現主義的な「森」シリーズを始める。 彫刻とは立体だが、視線はその外面を這い回るがゆえに表面をどのように処理するかが問題である。その表面に複雑な表情を加えるため、チェーンソーで木材に荒々しい刻みを入れて細かい凹凸を残す。それが遠くから眺めた「森」のような深みを与えるのだ。 さらに「森」から「界面」「境界」「視線体」などのシリーズへと発展。同展ではそうした作品の展開の軌跡を辿ることができる。

23/5/6(土)

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