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クラシック業界ご意見番

東条 碩夫

音楽評論家

新国立劇場オペラ『サロメ』

アウグスト・エヴァーディングの華麗な演出による『サロメ』。新国立劇場の定番プロダクションで、2000年のプレミエ以来、今回がもう7度目の上演になるが、よく出来た舞台なので、未見の方にお薦めする。 ユダヤの王女サロメが囚われの預言者ヨカナーンに恋し、「7つのヴェールの踊り」を舞って父ヘロデ王に願い、ついにヨカナーンの首を手に入れてそれを抱き口づけし、陶酔に耽るという物凄いストーリーだが、それを彩るR・シュトラウスの音楽の官能的で妖艶な迫力もまた群を抜いている。上演時間は1時間40分前後。 今回の上演では、題名役サロメをアレックス・ペンダ、父王ヘロデをイアン・ストーレイ、ヨカナーンをトマス・トマソンが歌い、指揮をコンスタンティン・トリンクスが受け持つ。 因みにこの『サロメ』は、沼尻竜典が神奈川フィルハーモニー管弦楽団を指揮、田崎尚美を題名役とした演奏会形式上演もある(6月24日、みなとみらいホール)。聴き比べてみるのも面白いだろう。

23/5/25(木)

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