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水先案内人のおすすめ

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アニメも含め時代を象徴する映画を紹介

堀 晃和

ライター(元産経新聞)、編集者

探偵マーロウ

二つの要素に惹かれた。一つはタイトルの「探偵マーロウ」。そして、リーアム・ニーソンが主演という点だ。 私立探偵フィリップ・マーロウが活躍する米ハードボイルドの巨匠レイモンド・チャンドラーの小説が好きだ。中でも1953年刊行の長編第6作『ロング・グッドバイ』が。本作は、この傑作の後日談の設定でアイルランドの作家が書いた作品の映画化だ。ただ、時代を戦前にするなど脚色が施され、『ロング・グッドバイ』の続編感はない。登場人物や物語の構成が似た別バージョンという体裁だ。 見所はニーソンのマーロウ役。過去にハンフリー・ボガートやロバート・ミッチャムらが演じたタフなキャラクターを、渋味が勝る恬淡とした雰囲気をまといながら新たなマーロウ像を創り上げた。本作はニーソンの映画出演100本目。公開時は71歳になる名優にとって記念の一本となった。 2023年は刊行70周年。余談だが、ロバート・アルトマン監督、エリオット・グールド主演の映画『ロング・グッドバイ』公開50周年でもある。5月下旬から東京を皮切りに全国の劇場で順次公開されている。2作をスクリーンで見比べることができる貴重な機会。時間と場所があえば、ぜひ“ハシゴ”をオススメする。

23/6/8(木)

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