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見逃せない、ちいさな芝居を中心に

釣木 文恵

演劇ライター

THE ROB CARLTON 17F 『Meilleure Soiree』

たまに、ちいさな劇場で公演を行っていても、まるで大劇場のような芝居をやる団体というのがある。たとえば、劇団☆新感線はオリジナル作品を上演しはじめた初期の頃から今のような公演を行っていた、と聞く。 京都を拠点に活動するTHE ROB CARLTON。彼らの作品には激しいアクションがあるわけでもなければ、大掛かりな仕掛けが用いられるわけでもない。壮大なテーマを扱ったりもしない。いわゆるシチュエーションコメディと呼ばれる、ある場所で起こる、ひとときのささやかな物語が演じられることが多い。所属する役者は主宰の村角太洋を含めたった3人。そこにゲストを呼ぶが、それでもキャストが10人に達したのは見たことがない。 けれど、私は彼らを見るたびに、「大劇場のような芝居だな」と思う。チラシのビジュアル、役者たちの顔、そして物語。見るたびいつも、この作品をこのまま10倍のキャパシティに持っていっても成立するな、と思う。衣装やセットもちゃんとしているところがうれしい。本格派に見えれば見えるほど、あまりにもくだらない展開に笑ってしまう。 今回の「Meilleure Soirée(メイユール ソワレ)」は、演劇の公演を行っているステージを描くのだという。演劇の演劇。もうわくわくする。 本当に大きな劇場で上演される前に、見ておいて損のない団体だと思う。

23/6/6(火)

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