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政治からアイドルまで…切り口が独創的

中川 右介

作家、編集者

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

第5作だが、これまでの4作を見ていなくても、見たけれど忘れていても、何の問題もない。何の予備知識なしでも楽しめる。 物語は戦争末期(1945年)のドイツで始まり、ナチスの軍用列車での活劇が最初の山場。戦争映画ファン、鉄道映画ファン垂涎のシーンで、これだけで普通の大作映画1本分くらいの熱量。 ここでのインディ・ジョーンズは、1936年が舞台だった第1作『レイダース/失われたアーク』から9年後のはず。それを『レイダース』から40年後のハリソン・フォードが演じている。これが、驚異的に若い。30年前に撮っていたみたいだ。 この活劇が終わると、一転して、1969年となり、インディは老いている上に、家庭崩壊したため自堕落というかだらしない格好で登場。「時間」の残酷さをまざまざと見せつけ、ちょっとショック。この「老い」を見せるハリソン・フォードは偉い。 だが、やがて敵が登場してくるにつれ、インディはピシっとしてくる。ハリソン・フォードはさすがだ。 このシリーズでは、『レイダース』と『最後の聖戦』にナチスが出てきたが、この最後の作品でまたもナチスが敵役。最近のナチスが出てくる映画は、事実に基づくシリアスなものが多いが、この映画では昔ながらの勧善懲悪映画での絶対悪としてのナチスで、分かりやすい。 ニューヨーク市内での馬での追跡劇では地下鉄の線路まで走ってしまう。その後もカーチェイスあり、飛行機での闘いあり、遺跡の地下での闘いあり、最後は海戦と、陸、海、空、地下と、あらゆる場所で、あらゆる乗り物を駆使しての闘いが展開されていく。まさに集大成。 最後の戦いは、思いもよらぬ場所となるが、実は伏線がちゃんとはられている。もっとも、見ている間は、めまぐるしく展開するので、伏線なんて気づくはずもなく、ただただ、身を任すのみ。 ともかく、お金の使い方が半端ではなく、贅沢きわまりない映画。

23/6/25(日)

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