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水先案内人のおすすめ

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夏目 深雪

著述・編集業

大いなる自由

ナチスドイツによって同性愛者は迫害され収容所送りにされたが、戦後連合軍によって解放された後も、刑法175条によって直接刑務所に移送された。そんな実話をもとにオーストリア出身のセバスティアン・マイゼが映画化し、今年のカンヌのある視点部門の審査員賞を受賞した作品。 同性愛者のハンスをダンサーでもあるフランツ・ロゴフスキが演じ、彼と刑務所で同室になるヴィクトールをゲオルク・フリードリヒが演じる。ノンケのヴィクトールは当初はハンスを毛嫌いするのだが、抵抗を続けるハンスと終身刑に服するヴィクトールは、徐々に心を通わせ合う。 『蜘蛛女のキス』を彷彿とさせるプロットだが、ゲイであるハンスが徹頭徹尾カッコイイのが今風な描き方なのだろう。刑務所に囚われた2人なので、全ての出来事は狭い刑務所内で起きるのだが、脂ののった2人の男優の演技を見ているだけで息が詰まるようなカタルシスがある。ラストも泣かされた。

23/7/6(木)

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