【TOEI VIDEO NEW CINEMA FACTORY】の第1回製作作品で、309本の脚本の中から選ばれた作品。タイムループものは最近（何故か）邦画でよく見るのだが、「タイムループから抜け出せるかどうか」というシチュエーションドラマに堕してしまっているものが多く、本作の純愛と老いの問題を絡ませた緻密な構成には唸らせられた。 5分ごとにタイムループしてしまうという基本は単純な構成なのだが、青春ものなのかと見せかけて自殺やらレイプやら不穏な要素が入り込み、ジャンル分けも不可能だし、よって見ている間中、話がどこに転ぶか分からない緊張感が続く。 これが初長編作品となる中村貴一朗監督は、プロジェクションマッピングやドローン撮影などの先端技術を駆使した映像表現を得意としているとのことで、要注目だろう。

23/7/12(水)