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水先案内人のおすすめ

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ユニークな選択眼!

春日 太一

映画史・時代劇研究家

ヴァチカンのエクソシスト

予告編のイメージからすると、かなり重苦しい感じのする作品と思われるかもしれないが、サクッと気軽に楽しめる娯楽映画に仕上がっている。 ヴァチカンに実在した悪魔祓いを主人公に、教会に対して攻勢をかけてくる悪魔との闘いが描かれる。 その悪魔祓いの神父を演じるのがラッセル・クロウ。その貫禄のついた風貌もあいまって、歴戦の悪魔祓いとしての頼りがいを全身から放つ。悪魔は神父の“罪”をも知りつくして心理戦を仕掛けてくるのだが、ギリギリのところで踏みとどまりながら対峙する様がヒロイックに映っていた。 山奥の古びた修道院、襲いくる嵐と雷鳴……といった古典的な舞台装置も効果的で、ラッセル・クロウのケレン味たっぷりの演技とよく合い、悪魔との心理戦を盛り上げる。 若い神父とのバディ感や、悪魔に憑かれた子役の熱演、さらには修道院の秘密を探る『インディ・ジョーンズ』的な謎解きなど、娯楽要素満載で飽きさせない。 ローマ教皇役がフランコ・ネロというのも注目。かつては、墓地でアーメンを叫びながら悪党を撃ちまくった男がヴァチカンの頂点を演じるというのは、実に感慨深いものがある。

23/7/12(水)

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