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注目の若手指揮者がクラシック初心者も安心の公演を紹介

坂入 健司郎

指揮者

東京ユヴェントス・フィルハーモニー 第24回定期演奏会

指揮者として今の私があるのは、このオーケストラのおかげなのだ。 東京ユヴェントス・フィルハーモニー。アマチュア・オーケストラであるものの、すでにCDを8枚リリースした実力あるオーケストラである。彼らとの共演は、毎回私に音楽の活力を与えてくれる。かけがえのない仲間たちだ。 そんな東京ユヴェントス・フィルハーモニーは今年で創立15周年を迎える。8月19日(土)ミューザ川崎シンフォニーホールにて、創立15周年記念演奏会と題して、ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲、マーラー:交響曲第7番のプログラムに取り組む。 マーラーの交響曲第7番は、第2楽章と第4楽章に美しい『Nachtmusik(夜の音楽)』が挟まれているため、『夜の歌』との愛称で呼ばれることもあるが、マーラーがつけた表題ではなく、内容としても極めて複雑怪奇で、マーラーの交響曲の中でも最も難しい交響曲といって過言ではない。この作品でマーラーは、バッハを代表するようなバロック音楽的な要素だったり、モーツァルトが好んだディヴェルティメントの要素を織り込みつつ、人間の想像する世界を超越するような、森羅万象を内包するような壮大な作品へ昇華させている。作曲されてから120年近く経ってなお様々な解釈が存在する「謎めいた」作品だが、演奏会場においては各々聴いて感じるままに想像を膨らませていただくことが、この作品の最も幸せな受容なのではないかと考えている。 前半のブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲では、東京ユヴェントス・フィルハーモニーとたくさんの共演を重ねてきた青木尚佳と、ミュンヘン・フィルのチェロ奏者として活躍中の三井静が独奏を務める。青木は、2021年にドイツの名門オーケストラであるミュンヘン・フィルのコンサートマスターに就任し、大活躍中のヴァイオリニスト。多忙の中、この演奏会に合わせて帰国し、素晴らしい独奏を披露してくれる。 夏の真っ盛りに聴きごたえのあるコンサート。是非足を運んでいただけたら幸いです。

23/8/13(日)

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