Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

日本映画の新たな才能にフォーカス

イソガイマサト

フリーライター

ブギーマン

ジョン・カーペンター監督の『ハロウィン』シリーズに登場した、連続殺人鬼マイケル・マイヤーズの呼称として広く知れ渡った“ブギーマン”。けれど、もともとは欧米の親たちが言うことを聞かない我が子に「ブギーマンがやってくるゾ」と言ってビビらせる、1500年代から語り継がれてきた民間伝承の魔物のことで、姿形は特定されていない。本作はそんな伝承に基づくスティーブン・キングの短編小説「子取り鬼」をベースに、『ズーム/見えない参加者』(20)のロブ・サヴェッジ監督が“ブギーマン”本来の恐怖の視覚化に挑んだ野心的なホラー・ムービーだ。 突然の事故で母親を失った高校生の姉と幼い妹、そしてセラピストの父親。突然訪ねてきた患者の男が彼らの家で自殺して以来、姉妹は家の暗闇に潜む “何か”に脅える日々を過ごすことになって……。 クローゼットの中やベッドの下に隠れているかもしれない、得体の知れない“何か”。映画の前半では、そんな暗闇や姿なきものに対する恐怖が暗い室内や姉妹を演じた若き名女優たちの迫真の芝居でじわじわと描き出され、イヤ~な緊張感とともに鼓動のドキドキがハンパなく増幅。そして後半では、誰も見たことがなかった“ブギーマン”に戦慄しながらも、おぞましい魔物に立ち向かう姉妹と父親の戦いから目が離せなくなる。 自分たちの哀しみや苦しみが作り上げた“ブギーマン”を彼らはどうやって倒すのか!? そこにスポットを当てた本作を、ホラー映画は苦手だからと言って見逃したら勿体ないかもしれない。

23/8/18(金)

アプリで読む