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日本&韓国演劇、フィギュアスケートも!
上野 紀子
演劇ライター
いつぞやは
23/8/26(土)~23/10/9(月)
シアタートラム、 森ノ宮ピロティホール
第67回岸田國士戯曲賞(『ドードーが落下する』22年上演)を受賞した劇作家・演出家の加藤拓也さんによる最新作です。岸田賞や読売演劇大賞の優秀演出家賞(『もはやしずか』『ザ・ウェルキン』ともに22年上演)といった名誉を受けても、何らブレることなく、自身の描きたい劇世界に淡々と邁進する姿勢は注目せずにはいられませんね。今回の作品は、劇団活動をしている青年の、かつての劇団仲間との出来事を振り返る物語。誰しもが共鳴する、よく似た思い出にウンウン頷くうちに、実は心の奥底に潜んでいた、もしくは隠し続けた真の思いに気づかされてハッとなる、そんな瞬間が訪れるのでは。出演を予定していた窪田正孝さんの怪我による降板は残念この上ないけれど、代役を引き受けたのが加藤作品を熟知する平原テツさんで新たな期待がムクムクと! 橋本淳さん、夏帆さん、今井隆文さん、豊田エリーさん、鈴木杏さんと、この顔ぶれによる回想の劇なんてもう今から切なくなるじゃあありませんか。観劇の秋に外せない一本かと。
23/8/26(土)